――「アンナチュラル」で「女性で何か問題でも」など、ヒロインのミコトに数々の名言を言わせました。本作でも麻生久美子演じる隊長の桔梗が美人だと騒がれて「顔で隊長になっていない」と反論する様なども、女性の共感を呼んでいます。 ーーそんなふうに世相やネット用語を盛り込むのも野木さんの脚本の特色です。第10話では「web上で探しているページが見つからない」という意味の「Not Found」がサブタイトルになりました。 ――元交番勤務で俊足の伊吹を演じた綾野さんと、元捜査一課のエリートである志摩を演じた星野さんの演技はどうでしたか? ――4機捜が久住に勝てる見込みはありませんか? 6月よりスタートしたドラマ『MIU404』(TBS系、金曜夜10時)が、7話連続で視聴率2桁をキープして好調となっている。脚本を手掛けるのは、野木亜紀子。『空飛ぶ広報室』、『逃げるは恥だが役に立つ』、『アンナチュラル』などヒットドラマを次々と生み出し、今もっとも注目される脚本家のひとりだ。, そんな野木の最新作である『MIU404』は、綾野剛&星野源のW主演による刑事ドラマで、架空の臨時部隊「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」の活躍を描いている。, 第4機捜は、普段は覆面パトカーで地域をパトロールし、110番通報があれば事件現場に急行して初動捜査に当たる役割を負っている。あくまで“初動捜査”を担当する部隊であるため、24時間を過ぎれば、専門の課に捜査を引き継がなければならない。タイムリミットが設定されているからこそのスピーディーな展開が楽しめる作品だ。, そんな『MIU404』の大きな魅力のひとつとして、社会問題をめぐる描写が挙げられるだろう。あおり運転、トランクルームで寝泊まりする人々、ブラック企業などを描いてきたが、特に話題になったのが、搾取される外国人労働者たちをテーマとした第5話「夢の島」だ。, 劇中で「外国人問題って視聴率取れないんだよね。そういうの、みんな興味ないよ」と皮肉めいたセリフがあったが、だからこそ、あえてそこに踏み込んだエピソードに「よくぞ」と称賛の声が寄せられた。, 『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)などの著書があるジャーナリストの出井康博氏も、同作について〈留学生や実習生の実態に加え、日本語学校で働く若者の葛藤や苦しさが実によく描かれています。犯人に『外国人は日本に来るな!』と叫ばせた最後の場面はとりわけよかった。映像の力は凄い。志と勇気ある製作者に拍手を送ります〉(7月28日のツイートより)と絶賛している。, 野木亜紀子は、映画学校を卒業後、ドキュメンタリー制作会社に就職したという経歴を持っている。社会問題への関心の深さは、もしかすると取材の日々の中で培われたものなのかもしれない。, 「野木亜紀子さんは、たくさんの人に向けたわかりやすい部分と、社会的テーマに取り組んだ複雑な部分を同時に書くことができるクリエイターです。それによって幅広い層の視聴者が、それぞれに面白さを見いだせるのが作品の魅力ではないでしょうか。, 例えば『逃げ恥』であれば、“ムズキュン”な恋模様を描く一方で、家庭内にある性別役割分業について考えさせたり、女性を抑圧する“呪い”の存在を明らかにしたりと、社会的な問題も自然に盛り込んでいました。, 『アンナチュラル』も、一話完結の法医学ミステリーとして楽しめると同時に、その中で“法を守るとはどういうことか?”や“社会の中に女性蔑視がナチュラルに潜んでいるのではないか?”ということも描かれていました」, 西森氏は、『MIU404』は劇中の犯罪を通して、“日本の歪(いびつ)な構造”が見えると指摘する。, 「『MIU404』は、伊吹(綾野)と志摩(星野)のバディ以外にも、後輩エリート刑事の九重(岡田健史)、ベテラン警部補の陣馬(橋本じゅん)、女性の隊長である桔梗(麻生久美子)などのキャラクターが立っていて、刑事たちの人間ドラマとしても楽しく見られるようになっています。, でも実はその上で、各話に登場する犯罪者も、社会的な弱者であったり、社会的におかしいことに憤ってやむなく犯罪を犯してしまったりといった事情を抱えており、背景が緻密に描かれています。そのため劇中の犯罪から、日本に実際に存在する歪な構造が見えるようになっています。ほかの作品も同様ですが、やはり、幾重にもなった観方(みかた)のできるドラマであることが魅力だと思います」(西森氏), 社会に対する問題意識とエンターテインメントを両立させる手腕こそが、野木作品の持ち味だ。“ドラマ離れ”が叫ばれる昨今。それでも名作は生まれ続けている。, この記事内のリンクから商品を購入されるとマイクロソフトはアフィリエイト広告収入を得ることがあります. 久住、強いですよね(笑)。久住に対抗するには正攻法では難しく、それでどうなるかはぜひ放送を見てください。隊長の桔梗や401の九重(岡田健史)と陣馬(橋本じゅん)にもそれぞれドラマはあるけれど、最後はやはり404、伊吹と志摩の話になります。 最終回の放送が終わって1週間経っても、話題になり続けている『MIU404』(TBS系)。多様な登場人物の中でも、謎がまだまだ多いだけに、菅田将暉の演じた久住のことが、いまだに気になってしまう。, 久住は、捕まった後に、伊吹(綾野剛)や志摩(星野源)から本当の名前やどこで育ったかについて聞かれ、「俺はお前たちの物語にはならない」と返した。この言葉から、いろいろな背景(物語)を、より考えてしまうという、久住の言ったことと逆の状態になってしまっている。, そもそも、この言葉は、『MIU404』と同じく野木亜紀子が手掛けた『アンナチュラル』(TBS系)の終盤、連続殺人の犯人の高瀬(尾上寛之)が、母親との関係性から犯罪を犯したと決めつける検事に対して「テンプレですね、何もわかっちゃいない」と返すところを思い出す。, ミコト(石原さとみ)が信じるのは事実のみで、「犯人の気持ちなんてわかりはしないし、あなたのことを理解する必要なんてない。不幸な生い立ちなんて興味がないし、動機だってどうだっていい」と語る。高瀬が自分の罪を認めるのは、主人公のミコトが「あなたは自分自身を救えなかった。あなたの孤独に心から同情します」という言葉に反応してのことだった。, ミコトがそう強く言うには理由がある。ミコト自身が過去に、母親によって無理心中に巻き込まれたことがある(ミコトはそれを「正しくはマーダースーサイド。殺人とそれに伴う犯人の自殺。単なる身勝手な人殺しです」と語る)。しかし、そんな絶望に満ちた過去があるからと言って、その過去に負け、誰かを恨む人生は、自分にとって負けであると思って生きているのである。, ミコトの同僚の中堂(井浦新)もまた、過去に愛する人を高瀬に殺されており、中堂の絶望にミコトがシンパシーを感じる部分があるのも事実であるが、その絶望を犯人に向けようとすることは間違いであると考えている。, 野木亜紀子の作品には、自分の過去の絶望を犯罪のための動機、もっと言えば言い訳にしてはいけないということが貫かれているように思う。だとすれば、久住も、犯罪者でありながら、物語=過去の絶望は自分の絶望は犯罪には関係ないと考えている人物であるとわかる。, 高瀬はミコトの「同情」に激高して罪を告白した。しかし、久住の場合はどうだろうか。久住は、船上で志摩から自分の負った頭の傷を心配され、おでこに手をあてられる。久住は志摩に見つめられ動揺しながらも、まっすぐと志摩を見つめ返すその瞳が、何を意味するのか、いつまでも考えてしまう。, そもそも久住というのは、とことん空洞であり、ゴミであるということを連想させるキャラクターである。彼の久住という名前は、「“クズ”を“見捨てる”の“久住”や……」と本人も語っている。しかし、彼はその外にも五味、トラッシュ、バスラー、スレイキー……という名前も使っており、そのどれもがゴミを意味している。, 実は野木亜紀子作品にゴミというモチーフがよく出てくる。思い出すのは、『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系)の「七、病苦」のことである。この回で門脇麦演じる神野あかりは、なにもかもが面倒くさくなり、家がごみ屋敷となってしまっていた。彼女を心配する地元の友達の依頼でコタキ兄弟(古舘寛治、滝藤賢一)がそこに向かい、部屋に散乱していたゴミを袋につめることになる。, ここで私が感じたのは、人がゴミとともに生きる期間は、人生の空白であるということであった。人生の空白とは、自分の人生を生きることができていないということであり、それは、ほかの作品でも通底したテーマでもあるように思う。, 例えば野木作品の『獣になれない私たち』(日本テレビ系)では、主人公の晶(新垣結衣)とその恋人である京谷(田中圭)を挟んで恋敵でもある朱里(黒木華)が、お互いの過去について話したあとに、晶がしみじみと「私たち、誰の人生を生きてきたんだろうね」というシーンもある。, 朱里は、元恋人の京谷と別れた後、家や仕事を探そうとするもうまくいかず、そのまま京谷の家に住み着いてしまい、家の外にほとんど出ずに、時間が止まってしまっている人物であり、彼女も、人生の空白期間から抜け出せなくなってしまった人である。, しかし、晶のように、仕事を持ち、恋人やそのほかに交流する人がいるにもかかわらず、「私たち、誰の人生を生きてきたんだろうね」とつぶやいてしまうということは、どんなに社会とかかわっていようと、自分の人生を歩めないこともあるということとも読み取れる。, 『MIU404』の第7話では、犯罪を犯し、指名手配犯となった男が、時効を迎えるためにトランクルームに10年もの間、身を隠していたというエピソードが登場する。犯人の所有物の週刊誌の表紙の女性の顔は、ペンでぐちゃぐちゃに塗りつぶされていて、その10年の腐った感覚が見て取れた。, この指名手配犯の相棒は、こんな場所で「自由なんてない」「あのとき自首してたら、8年くらいで出られた。今頃とっくに罪をつぐなって堂々と生きられた。普通に生活ができたんだよ。俺たちはもう死んでるのと同じだ」と語りかけると、犯人は激高したのだ。, 伊吹と志摩は、その現場で犯人の10年に思いを馳せる。特に伊吹は、自分が交番に飛ばされて機捜に呼ばれるまでの10年について、「10年間誰かを恨んだり、腐ったりしないで、ほんっとうによかった。俺はラッキーだったなー」とつぶやき「(犯人の不幸は)10年間、ここから一歩も動かず、誰にもみつからなかったことだ」と続ける。ここでも、人生を空洞にしないで生きてほしいという願いを感じるのだ。特に、何かの不幸な出来事をその空洞へのスイッチにしないでほしいということも見える。, 「『MIU404』久住のセリフに込められた野木亜紀子の作家性 “自分の人生”を歩むために」のページです。西森路代、綾野剛、麻生久美子、星野源、生瀬勝久、野木亜紀子、橋本じゅん、塚原あゆ子、金井勇太、新井順子、岡田健史、渡邊圭祐、MIU404の最新ニュースで映画をもっと楽しく!「リアルサウンド 映画部」は、映画・ドラマ情報とレビューの総合サイトです。. ――綾野さんとは「空飛ぶ広報室」(2013年TBS系)、星野さんとは「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年TBS系)でも組みましたね。 【写真を見る】機動力と運動神経はピカイチの伊吹を演じる綾野剛 ――桔梗が指揮権を持った“強い”女性である一方、犯罪の被害者になる“弱い”女性も多いわけで、それが第4話の「ミリオンダラー・ガール」や第9話で麦(黒川智花)が囚われてしまうところに表現されているのではと思いました。 新井さんは「SFって宇宙人の話ですか?」と言っていたようですが、そうじゃない(笑)。新井さんは伊吹のようなところがある人で本当に面白い。それはさておき、シリーズの3作目を新しくやるぐらいなら、「アンナチュラル:ユニバース」(仮題)を作ったほうがいいとも思いますが…キャストの皆さん全員忙しいし無理でしょうね。 今回、脚本を担当する野木亜紀子にインタビューを実施! インタビュー後編では、綾野や星野らキャストやメロンパンカーについて、そして気になる最終回について語ってもらった。 そうですね。みんながみんな、桔梗のように強くいられるわけではない。だけど、手を取り合うことはできるのではないか。第9話のラスト、麦が救急車の中で桔梗に「ありがとう。一緒に戦ってくれて」という場面は、撮りあがった映像が泣けて…。演出の塚原あゆ子さんのエモさがさく裂していましたね。その場面を始め、桔梗役の麻生さんは本当に上手いなと改めて思いました。やりすぎず抑えた感じがいいですよね。 現在JavaScriptが無効になっています。Yahoo!ニュースのすべての機能を利用するためには、JavaScriptの設定を有効にしてください。, 綾野剛、星野源がW主演を務める「MIU404」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系※最終回は15分拡大)が、9月4日(金)に最終回を迎える。 『逃げ恥』新春スペシャルタイトルが決定、みくり&平匡の一大事に関わる新キャスト発表. 「MIU404」の脚本家である野木亜紀子さんも否定されているため、デマであるとわかっています。 くれぐれも誹謗中傷はしないようにしましょう。 目次. 綾野演じる伊吹と、星野演じる志摩が機動捜査隊でバディを組み、24時間というタイムリミットの中で事件解決を目指す本作。 ©DWANGO ――第10話のラストでは、久住(菅田将暉)の流したデマによって、メロンパンカーがテロリストの車だと誤解されネットの標的になってしまいました。 通常の機捜車だと、かっこよくなりすぎというか、「(このドラマの設定は)かっこよくしないぞ」という思いからです(笑)。そこは新井(順子)Pとも一致していましたし、警察の人に取材したとき、「張り込みで移動販売車を使うこともある」と聞いていたので、「設定として、なくはないんだな」と。よく海外ドラマはリアリティーがあると言いますが、例えば「刑事ナッシュ・ブリッジス」だって黄色のオープンカーでしたし、すごく目立つけれど、それで成立するわけです。 もはやネットと社会は切り離せない存在なので、自然と入ってしまいます。最近は、たくさんの情報に押し流され、私を含め、みんなが忘れっぽくなっているのが気になっています。例えば政治関連の不祥事もどんどん発覚するけれど、忘れてしまって、いつの間にか“なかったこと”になっている。各話で世間から忘れられたような日陰にいる人を描いてきたのも、本当にそれでいいのだろうかという疑問からです。 久住の台詞に込められた野木亜紀子の作家性 2020.09.11 06:00 『MIU404』久住のセリフに込められた野木亜紀子の作家性 “自分の人生”を歩むために
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