(日:前進!、仏:En Marche !)」を結成した[30]。2017年6月、党は、「La République en marche !(共和国前進!)」(LREM)へと名を変えた。, 大統領選への出馬が噂されるなか、同年8月30日に経済相を辞任[31]。辞任の理由については「フランスの景気低迷や社会的な格差拡大に対し、独自の解決策を打ち出せるようにするためだ」と説明し[32]、苦境に陥ったフランスに「変革」をもたらすという決意を述べたものの、取り沙汰されていた次期大統領選への出馬を表明するには至らなかった[33]。しかし、経済界からも厚い支持を集める左派閣僚として注目され[34]、経済相辞任は大統領選出馬を見据えた動きとみられた[35]。, 2016年11月16日、2017年大統領選挙への立候補を正式に表明する[36]。2017年3月18日、自身が率いる「前進!」からの支持を受け、独立系候補として立候補を届け出た。4月23日の第一回投票で852万8,585票(得票率23.86パーセント)を獲得して首位に立ったが、得票数が有効票の過半数に満たなかったため、5月7日に決選投票が実施されることになった[37]。決選投票ではマリーヌ・ル・ペンを降して2,075万3,797票(得票率66.06パーセント)を獲得し当選した[38]。5月14日、第25代フランス大統領に就任した[39]。なお、39歳での大統領就任は、1848年に40歳で大統領に就任したナポレオン3世の年齢を更新する、史上最年少での就任となった[40]。, 6月11日と18日に行われたフランス国民議会選挙の結果、マクロン与党「共和国前進!」陣営が6割を超える350議席を獲得し、政権基盤を固めた[41]。, 2018年11月17日より蛍光色の安全ベストを着た市民が軽油・ガソリン燃料費値上げや燃料税の引き上げに対する抗議活動を開始し、フランス全土でマクロン退陣を求める激しいデモ、暴動、略奪に拡大した(黄色いベスト運動)。道路網の封鎖をメインとし、都市部では自動車や市庁舎への放火、店舗略奪、破壊行為が行われた。暴動としては1968年の五月危機以来の規模となった[42]。12月5日、マクロン政権のフィリップ首相は燃料税引き上げ断念を発表した[43]。, 2019年4月25日、マクロンは大統領になって初の記者会見を行い、黄色いベスト運動の説得も兼ねて全国規模で行われていた大討論大会の統括と運動への対策案を発表した。このなかで大統領は低所得者や平均的な所得者へ総額50億ユーロ規模の所得税削減と年金の増額を約束した。さらに自身も卒業したフランスのエリート校フランス国立行政学院(ENA)の閉鎖を約束(貧困家庭から学生を募集しないためここ数十年来、批判にさらされてきた[44])し、フランスの統治システムは変わるべきだと述べた。マクロンは自らの施政を「後悔」しているとも言い、より「ヒューマン」な政治を誓ったが、運動のなかで起きたユダヤ人や同性愛に対する憎悪や暴力を「道徳」と「教育」の衰退だと表現し、全力で戦うとした[45]。, 財政改革としてマクロ数値目標(財政赤字の対GDP比率の引き下げ)を設定している。税制問題では増税措置が先行しており、社会保障費をまかなう一般社会税(CSG)の増税を行った。減税措置については2022年までに段階的に実施予定である。減税の中心は法人税が予定されており、22年までに法人税33パーセントから25パーセントまで下げることが計画されている。また富裕税(ISF)の減税(富裕税の課税対象を不動産に限定)やキャピタルゲイン減税(30パーセントのフラットタックス導入)などを2019年までに実現することを目指している。家庭向けの減税としては80パーセント世帯を対象に地方住民税廃止を22年までに実現する計画である。公務員12万人の削減も計画している[48]。グローバリズムを支持している。, 雇用と賃金の両面で労働市場の調整力を高めることを目指し、労働市場改革を訴えている。2018年1月までに解雇補償額の上限引き下げ、グローバル企業の解雇要件の緩和、解雇不服申し立て期間の2年から1年の短縮などを実現した[48]。, フランスでは2001年以来、徴兵制が廃止されていたが[49]、マクロンは徴兵制復活を大統領選挙の公約に掲げた。マクロンは徴兵制について「軍や憲兵隊の下で行う。1か月間、若い国民が体験を分かち、国の結束を強める機会になる。危機に際し、国防の支えになる」と述べ[50]、「若者の国民としての義務感や団結感を強める」と論じている[51]。, マクロンが掲げていた徴兵制度とは、18 - 21歳の男女を対象に約1か月の兵役を課すというものであり、2018年1月19日までに徴兵制を復活させたい考えを示していた。しかしこれに対し、約1か月という短期間だけ兵役を課す意味合いが乏しいとの指摘や、予算がかかりすぎるとの批判が出た[49]。大学や青年団体も10の組織が徴兵制に反対する声明を出し、その中で「押し付けには反対。奉仕活動は国民が選べるようにすべきだ」と訴えた[50]。, そうした批判のため、徴兵制ではなく公共奉仕活動の義務化に変更された[50]。2018年6月27日に閣議決定された「普遍的国民奉仕」計画は、16歳の国民全員に対して4か月から1年あまりの警察や消防や軍での奉仕活動、あるいは慈善活動を行う義務を課すとしている[51]。奉仕活動の最初1か月は義務であり、共同生活を送る。その後、第二段階として16歳から25歳の若者が3か月から1年間任意で奉仕活動に参加する。義務奉仕の一部は夏休みに行うことを予定しており、軍の役割や人命救助を学ぶ。任意参加の第二段階については軍や消防、公共機関での職業訓練に近いものを想定している[50]。, 大統領就任後の移民・難民政策は移民規制強化の方向が目立つ[52]。2018年4月には移民法を可決させたが、難民申請の期限を早めたり、不法移民を勾留できる期間を倍にしたり、不法入国に対して禁錮1年の処罰を導入するなど実質的には移民規制を内容としているため、人権擁護団体などから批判を受けている[53]。, 就任後、2040年までにガソリン車の販売を禁止する目標を打ち出すなど他国と一線を画す環境政策を推進してきた[54]。しかしながら2020年6月の統一地方選では、環境政党に押され与党共和国前進が惨敗。環境政党の躍進に押された。選挙後の演説で地球温暖化対策を憲法に盛り込む方針を発表した[55]。, 2012年オバマ政権下において、フランスの親米組織フレンチ-アメリカン財団(フランス語版)のリーダーを務めたものの、2017年から大統領に就任したドナルド・トランプの米国第一主義や保護主義的な態度を批判している[56]。2018年4月の訪米の際には、アメリカ議会においてアメリカ政府のパリ協定離脱やイラン核合意離脱などの単独主義を批判し、「多国間主義を作り出したのは米国であり、これを維持して再生させる役割を担うのも米国だ」と論じた[57]。, 2018年10月、アメリカが中距離核戦力全廃条約(INF)から離脱を表明した際にもトランプと電話会談を行い、「この条約は、とりわけ欧州の安全保障と我々の戦略的安定にとって重要だ」と伝えて再考を促した[58]。2018年11月11日にパリで開かれた第一次世界大戦終結100周年記念式典では「『我々の利益が第一で、ほかはどうでもいい』という考えは、国家にとってもっとも大切な精神的価値を失うこと」とし、地球温暖化などの諸課題に国際社会がともに取り組むべきであると主張した。この演説はトランプ大統領の一国主義への当てこすりと報じられた[59]。, 2019年6月6日、戦後の民主主義同盟の礎ともなった第二次大戦のノルマンディー上陸作戦75周年式典に際して、環境問題の合意とイランの核合意を放棄し、NATOを去ると脅しさえしたトランプ大統領に「親愛なるアメリカは、他人の自由のために戦ったときほど偉大なことはなかった」と指摘し、自由主義体制の根本である「ノルマンディーの約束」を守るようにと呼びかけた。また両者はオマハビーチの米戦没者墓地を訪れ、参加した退役軍人らに勲章を贈った[60]。, アメリカのトランプ大統領がNATOへの脅しに近い発言を繰り返すことを受け、欧州安全保障の米国依存からの脱却とEUによる安全保障強化を訴えている。2018年8月27日には「欧州は自らの安全保障についてもはや米国に依存することはできない。欧州の安全保障は私たち次第だ」と述べた[61]。2018年11月5日には、ラジオ番組の中で「真の欧州軍」の創設が必要であるとの認識を示した。それについて「我々は中国とロシア、さらには米国に対しても自衛しなければならない」「1980年代に欧州を襲ったミサイル危機後に締結された重要な軍縮条約から、トランプ大統領が離脱すると発表するのを目にするとき、主たる犠牲者は誰になるだろうか。それは欧州とその安全保障だ」「真の欧州軍を持つと決意しない限り、我々は欧州市民を守ることにならない」と論じた[62]。, マクロンの「欧州軍」構想について、アメリカのトランプ大統領は「侮辱的な話だ」「欧州はNATOに公平な分担(金)を支払うことが先決だ」と反論した[63]。逆にロシアのプーチン大統領は「欧州軍」構想について「欧州が安全保障の独立を目指すのは当然。世界の多極化のためによい」と発言し、米欧の分断を煽っている[59]。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は「欧州軍」構想について11月13日の欧州議会で「我々は真の欧州軍をいつか創設するためのビジョンを話し合うべきだ」「欧州各国の間で二度と戦争をしないというメッセージになる」と賛意を示したうえで「欧州軍はNATOに敵対するものではなく、むしろよい、そして無駄のない補完になる」としてトランプ大統領の懸念は当たらないとの見解を示した[64][65]。, 英国のEU加盟時に強硬な態度をとったド・ゴール大統領よろしく、EU統合保持の立場からブレクジットには強硬な態度で臨んでいる。EL PAIS紙はメルケル独首相の「よい警察官」に対し、「悪い警察官」の役割を演じているのだと評した。ほかのEU指導者たちがおしなべてメッセージを外交的な綿で包み込み調停的であるのに対して、条件を定め、できるだけ早い解決を望んでいる。またメイ首相とのEU間の交渉も「正直なところ、現実的に対応しているとは思えない」と批判している[66]。, 2019年2月7日、アンチエスタブリッシュ(五つ星運動)で知られるイタリアの副首相ルイジ・ディマイオが黄色いベスト運動のリーダーと面談したことを受け、在イタリア大使の召還を発表した。これにより両国の関係は第二次大戦以後最悪なものとなった。ディマイオは「新しいヨーロッパは黄色いベストから生まれる」と述べ、フランス政府はこれは「挑発」であり、受け入れることはできないとした[67][68]。, クリミア併合以来経済制裁を受けているロシアへの制裁継続を支持しており、フランソワ・フィヨン、マリーヌ・ル・ペン、ニコラ・サルコジ、ジャン=リュック・メランションといった親露的なフランスの政治家とは立場が異なる。, 2017年2月、マクロン陣営の報道担当者バンジャマン・グリボーは、フランス大統領選挙の運動を妨害する目的で虚偽情報を拡散しているとしてロシアを非難した[69]。また、マクロン陣営のウェブサイトや電子メールサーバーに対する相次ぐサイバー攻撃の背後にロシア政府の存在があるとして、ロシアに対して大統領選挙に介入しないよう警告した[70][71]。, 2018年7月のFIFAワールドカップ・ロシア大会の準決勝と決勝戦にフランス代表の応援で訪露し、ロシアのプーチン大統領との首脳会談も行った。折しもイギリスでロシアの元スパイが毒殺された事件をめぐってイギリスとロシアの関係が悪化していた時期であるため、仏露の接近として物議をかもした[72]。, 2019年12月9日、エリゼ宮にてドイツのメルケル首相とともに、ウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領の会談を仲介。捕虜の相互解放と停戦の履行を確認する共同声明を出すことに貢献する[73]。, 中国メディアは、マクロンが大統領に当選した際、2014年12月に当時経済相だったマクロンが、フランス政府が保有するトゥールーズ・ブラニャック空港の株式60パーセントのうち49.99パーセントを中国企業に売却することを支持、売却に反対する政治家を批判し、インタビューで毛沢東や鄧小平の語録を引用して「フランスと中国は非常に重要な歴史的関係を持っている。現在の中国は経済や外交、軍事の強国で、フランスが中国の存在を認めることで両国の関係には大きな力が生まれる。中国とは正常な関係を維持していきたい」と発言したとして中国を重要な盟友と見ている政治家だと報じた[74]。, 他方、就任直後のマクロンは中国への警戒感をあらわしている。2018年2月、中国企業が仏国内において投機的な農地買収を行っている件について「フランスの農地はわが国の主権が関わる戦略的な投資だと私は考えている。よって購入の目的も把握しないまま、何百ヘクタールもの土地が外資によって買い上げられるのを許すわけにはいかない」と述べ、中国企業の農地買収を封じる規制予防策を講じることを言明した[75]。, 2019年3月22日のブリュッセルでのEU加盟国の首脳会議で中国に対する新たな戦略が協議され、貿易の不均衡是正などに向けた対応を進めることで合意した。これを受けてマクロンは「中国に甘い考えを抱く時代は終わった」と宣言した[76]。, いっぽうで、同年3月26日の中国の習近平訪仏に際して、ドイツのメルケル首相やEUのジャン=クロード・ユンケル欧州委員長も招待して四者会談を行った。四者会談にしたのはEUの対中外交を統一するためだった。マクロンは我々(欧州と中国)には、考え方の違いがある」として両者が競合関係にあることを強調する一方、「ともに多国間主義を推進したい。中国と協力し、対話する用意がある」とも述べた。25日の共同記者会見では「中国と欧州は相互に利益を尊重し、バランスのとれた関係であるべきだ」と主張して中国の投資攻勢を牽制したが、同時に航空、エネルギー、造船分野など約400億ユーロの経済協力に合意している[77]。, 2018年7月には日本との間に自衛隊と仏軍が物資や役務を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)を締結し、日仏両国の海洋対話を本格化させた。同年10月に訪仏した日本の内閣総理大臣安倍晋三と首脳会談を行い、両首脳は日仏の連携をアピール。海洋進出を強行する中国と保護主義的なアメリカを牽制した[78]。, 2019年4月23日、G20の大阪サミットを前にした安倍首相が意見調整のためフランスを訪れ、会談した。安倍はノートルダム火災へのお見舞いを述べ、両者はスリランカでのテロや自由貿易の価値共有などを強調した。会談ののち、マクロンは日本語で「日本とともに、我々は多極主義への信頼を再構築するという同じ野心を有する。幾多の障害や緊張や閉塞状況が存在することは分かっているが、日本もフランスもそれで諦めてしまうような習性は持っていない[79]」と、ツイートを飛ばした。, 首脳会談でマクロンは「いいときも悪いときもパートナー以上の友好国だ」と述べ、中国の強引な海洋進出の強行を念頭に、防衛・経済両面で日仏の関係を深めることで両首脳は一致した。近く行われる仏海軍空母シャルル・ド・ゴールと海上自衛隊の共同訓練を踏まえ「自由で開かれたインド太平洋」実現のための防衛協力加速を申し合わせた。また北朝鮮に完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)を実現させるまでは制裁を維持することが重要との認識でも一致した[80]。, 北朝鮮問題については北朝鮮の非核化を重視する立場である[81]。2018年10月に韓国大統領文在寅が訪仏した際に北朝鮮への経済制裁の緩和を求められても「フランスは北朝鮮がCVID(完全かつ不可逆的で検証可能な核廃棄)によるプロセスを始めることを期待する」としつつも「そのときまで国連制裁を継続しなければならない」として断っており[82]、制裁緩和に賛成する中露とは異なる立場を示した[83]。なお、フランスと北朝鮮には国交はない。, 中東政策では親イスラエル路線を採用し、パレスチナの国家承認に否定的な立場である。イスラエル・ボイコットキャンペーン(英語版)にも反対している。シリア問題ではバッシャール・アル=アサド政権の退陣・追放を主張し、反体制派武装勢力への支持、あるいはアサド政権打倒のための軍事攻撃の必要性を打ち出した[84]。, 2020年ベイルート爆発では、発生後2日後にあたる2020年8月6日にベイルートの被災現場を訪問。レバノンのミシェル・アウン大統領と会談して、国際的な支援を呼び掛けた[85]。.
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