世の中には間違いだらけのロシア・エネルギー論やパイプライン談義が横行しており、権威ある学者や知識人が書いた本や記事の中にも多くの間違いがある。 実例を挙げたい。下記の文章を読まれて何が間違いかすぐ分かる方には、この「間違いだらけのパイプライン談義」は不要である。 出典:『ロシア・ショック』/講談社/2008年11月11日刊) 「モスクワは言うまでもなくロシア連邦共和国の首都で、人口1047万人(2008年1月時点)のロシア最大の都市である」(同書60頁) 「ロシアの経済を牽引す … ロシアの石油ガスパイプラインシステムの 発展と戦略 本村 真澄1 (独)1 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310 番) E-mail:motomura-masumi@jogmec.go,jp 本稿では,帝政ロシア,ソビエト連邦,ロシア連邦における石油・天然ガスパイプラインの建設の歴史を概 保守強硬派」の権力闘争が激化し、ロシアが警察国家に路線転換するかのごとき論調が紙面を踊ることになった。, 時に2003年10月25日、拘束された人の名はミハイル・ホドルコフスキー(当時40歳)。それが「強いロシア」を標榜するV.プーチン大統領の、断固たる国家エネルギー政策の意思表示の序曲であったことは、この時点では誰も知る由もなかった。, 最初に、旧ソ連邦諸国のエネルギーに関する筆者の基本的な立場と見解を述べておきたい。, 筆者は昔から、「旧ソ連邦・新生ロシア連邦は、原油パイプラインや天然ガスパイプライン(以後“P/L”)を政治の道具として使い、欧州向けP/Lのバルブを閉めるようなことはない」と、孤高の論陣を張ってきた。過去そのようなことはなく、現在もなく、今後もあり得ないだろう。, 天然ガスP/Lのバルブを閉めることは自分で自分の首を絞めることになることをロシアは誰よりもよく理解している。ソ連邦・ロシア連邦にとり、天然ガス輸出は主要外貨獲得源ゆえ、自分で輸出用天然ガスP/Lを閉めることはしない・できない。, ロシアほど信用に足る石油・ガス供給源は存在しない。これが筆者の偽らざる実感である。, もちろん定期修理や改修のためにP/L操業を停止することはままあるが、その場合は客先(需要家)には事前に通告して供給を一時停止したり、迂回路を使用する。, 上記のように書くと、「ウクライナ向けに過去、天然ガス供給を削減・停止したではないか」との反論が寄せられること必至だが、ウクライナの事例は一義的には経済問題である。, 2006年1月と2009年1月には、確かにロシアからウクライナ向け天然ガス供給が削減されたり停止したが、それはあくまでも経済問題である。, 2013年秋の露・ウクライナ紛争発生後、にわかウクライナ評論家が雨後の筍のように登場した。その多くは政治学者であり、エネルギーのことをよく知らない人たちがエネルギーや天然ガスP/Lを論じていたので、整合性のない話になっている事例が多々あった。, 一方、「ロシアから欧州向け天然ガスP/L輸送路問題は日系各紙にもよく報じられるが、原油P/Lの輸送問題があまり登場しないのはなぜか」という照会を時々受ける。, 天然ガスは気体ゆえ、液化天然ガス(LNG)を除き、輸送手段としての統一P/Lシステムが必要になる。しかし原油は液体ゆえ、仮に原油P/Lが停止・閉鎖された場合でも、(経済性の問題は別として)鉄道輸送や貨車輸送などの代替輸送手段が可能になる。, これが、原油P/Lの輸送問題が天然ガスP/L輸送問題と比較して、あまりマスコミに登場しないゆえんとなる。, 読者の皆様には黒海・カスピ海周辺地域の天然ガスP/L地図を下記添付するので、このP/L地図を参照していただきたい。ただし、この天然ガスP/L地図は少し古い点、ご了承願いたい。, 現在ではナブコ構想は既に存在せず、サウス・ストリーム(黒海横断海底P/L)構想はトルコ・ストリーム構想になり、トルクメニスタンからウズベキスタン・カザフスタン経由中国向け3本の天然ガス幹線P/L(年間総輸送能力550億立米)は既に稼働中。, 4本目の天然ガスP/L(年間輸送能力300億立米)の想定ルートはトルクメニスタンからウズベキスタン・タジキスタン・キルギス経由中国向けであり、2016年には建設着工予定と言われていたが、2017年2月現在、P/L建設はまだ始まっていない。, こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。有料会員登録(月額 500円[税抜]、最初の月は無料)をしてお読みください。, ※「JBpress」に掲載している記事や写真などの著作権は、株式会社JBpressまたは執筆者などコンテンツ提供者に帰属しています。これらの権利者の承諾を得ずに、YouTubeなどの動画を含む各種制作物への転載・再利用することを禁じます。. 「シベリアの力」パイプラインは、当初、2019年12月20日を稼働開始予定としていたが、今年2月には建設の順調な進捗を背景に(2月末段階でロシア国内のパイプライン敷設を99%完了。3月末には中露国境のパイプライン接続が完了。9月1日にチャヤンダから天然ガスのラインフィルを開始) ベリアの力」が完成するのは今から4~6年後。そして、年間供給量が38BCMに達するのは、さらにその5年後である」(ヴェードモスチ/交渉当事者情報), プロパン:年間100万トン(LPGへ), ブタン:年間50万トン(LPGへ), ペンタン・ヘキサン:年間20万トン. © 2008-2020 Japan Business Press Co.,Ltd. All Rights Reserved. ロシアとトルコが黒海経由の天然ガスパイプライン建設協定に署名 。トルコ・イスタンブールで開かれた記者会見で握手するトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(右)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左、2016年10月10日撮影)〔AFPBB News〕, 世の中には間違いだらけのロシア・エネルギー論やパイプライン談義が横行しており、権威ある学者や知識人が書いた本や記事の中にも多くの間違いがある。, 実例を挙げたい。下記の文章を読まれて何が間違いかすぐ分かる方には、この「間違いだらけのパイプライン談義」は不要である。, 「モスクワは言うまでもなくロシア連邦共和国の首都で、人口1047万人(2008年1月時点)のロシア最大の都市である」(同書60頁), 「ロシアの経済を牽引するのは、なんと言ってもエネルギー資源だ(中略)。天然ガスは非常に細かくパイプラインが通っているが、現在グルジアを通っているパイプラインがこの先どこに延びるかが非常に重要な問題になっている。そこからウクライナを通るのか、あるいはそのまま黒海に通して、そこからタンカーで運ぶのか。パイプラインのルートをめぐって、周辺国が一喜一憂しているのが現実だ。極東では「サハリン1」「サハリン2」のプロジェクトがあり、当初の計画では日本までパイプラインを引くことになっていたが、現在はユジノサハリンスクから船で運ぶ話になっている」(同書62頁), 本稿では、過去に発表された旧ソ連邦諸国に関するエネルギー論やパイプライン談義の実例をいくつかご紹介して、その誤謬を正すことにより、正しいP/L像に迫りたいと考える。, ただし、揚げ足を取ることや間違いを指摘すること自体が目的ではない。エネルギー論とパイプライン談義は密接に関連しており、正しいエネルギー論議を可能にするためには、より正確なパイプライン談義が必要になる。, なお、筆者は初版本を購入して読んでいるので、その後間違いが改訂版で修正されているのかどうかは確認していない点を付記しておきたい。もし改訂版で修正されている場合は、筆者の非礼をご容赦願いたい。また、本論に対する批判・反論はいつでも大歓迎である点を付記したい。, 筆者が足かけ7年間にわたるサハリン駐在に別れを告げ、宗谷海峡上空を飛んでいたちょうどその頃、シベリアで1人の石油成金が拘束された。, その日、ロシアの石油会社最大手ユーコスの社長専用機が給油すべく西シベリアはノボシビルスク空港に立ち寄った際、同社の社長がロシア連邦保安庁(FSB)の特殊部隊に拘束されるという事件が発生した。, 翌日の日系各紙は本件を大きく報道。その後、日本のマスコミには「改革派vs. 11/16-12/4「JBpress DX World 2020」登録受付中!池上彰氏、野中郁次郎氏、新井紀子氏、森岡毅氏、藤井保文氏、カインズ社長、味の素副社長など登場!. パイプライン輸送(パイプラインゆそう)とは、一般に石油や天然ガスなどを恒久的に設置した導管により輸送するものをいう。世界各国で多く利用される。 【中1社会】パイプラインって何ですか?ヨーロッパのところの勉強をしているのですが、パイプラインって具体的にどういうものなのかわかりません。 wikipediaには、「石油や天然ガスなどを運ぶために恒 … パイプライン輸送(パイプラインゆそう)とは、一般に石油や天然ガスなどを恒久的に設置した導管により輸送するものをいう。世界各国で多く利用される。, パイプラインは石油やガスのような可燃性の液体や気体の輸送管である[1]。内陸にある油田と石油輸出ターミナルあるいは製油所などを結んで設けられる[2]。最初のパイプライン事業は1865年にアメリカ合衆国・ペンシルバニア地方の油田地帯に始まる[1]。パイプラインは遠距離の大容量の輸送に適しており経済的である[2]。しかし、パイプラインは初期投資として巨額の建設費用がかかり燃料の輸送費用のかなりの部分を償却費が占めるといわれる[1][2]。また、パイプラインは輸送元と輸送先が固定的でありフレキシビリティが無いといった短所がある[2]。なお、パイプラインは広義には上水道管、下水道管、暖房用熱気送管、郵便物輸送用の空気送管(気送管)などを含む[1]。なお、パイプラインの敷設は野生動物の生息域の分断を招くとの指摘もある。, 日本における石油、ガスなどのパイプライン輸送は、土地の所有権が細分化されている上に地価が高いこと、起伏が多い地形や地震などの理由から採算が合わず少なかったが、天然ガスの分野では石油資源開発(JAPEX)が精力的にパイプラインを敷設した。JAPEXの総延長は2012年2月現在、苫小牧市〜小樽市、新潟市〜仙台市、白石市〜郡山市の間など総延長826kmにも及ぶ。ロシアサハリン州沖で天然ガス田(サハリン1)の開発が進められている。この天然ガスの輸送には、ロシア〜日本間の大規模パイプラインの建設が検討されてきた。しかし、2004年11月に、開発の主体であるエクソンモービルは、中華人民共和国のエネルギー需要の伸びに目をつけ、日本向けのパイプライン輸送を白紙撤回する方針を固めた。2006年には全量が中華人民共和国へ輸出されることが決定し、計画は頓挫した。, メキシコで石油パイプラインが爆発、27人死亡。街は火の海に(AFP.BB.NEWS 2010年12月20日), https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=パイプライン輸送&oldid=80288157.
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