“Daily chart: Sykes-Picot 100 years on,” The Economist, 16 May 2016. “Iraqi Kurds ‘prepared to draw own borders’, Barzani warns Baghdad,” BBC, 11 September 2017. Fabrice Balanche, “The Die Is Cast: The Kurds Cross the Euphrates,” The Policy Watch 2542, The Washington Institute, January 5, 2016. これはBBCのものです。9月1日付けの、「イスラーム国」関連の地図をまとめた記事ですが、公開後も地図が追加・アップデートされていくようで、この地図は9月4日現在とされています。. “Islamic State group: Crisis in seven charts,” BBC, 7 September 2016. この地図に付された記事はこれ。筆者は中東ジャーナリストのロビン・ライト。ワシントンの政治家にも近い有力・有名な人なので、アドバルーンか?と噂されたものです。. この地図では2015年5月28日から8月初頭の間のシリア北部のクルド人勢力の支配領域の変化が図示されています。2014年以来の「イスラーム国」によるコバネの包囲を撃退した後に、逆にテッル・アブヤドなどを制圧することで、従来のクルド人が多数派を占める領域を超えて、クルド人勢力が支配領域を広げていきます。, それに対してトルコは、トルコ・シリア回廊ともいうべき、アレッポの北方の、ユーフラテス河以西の地域に「安全地帯」という名の、トルコの勢力圏を確保する、と米国に主張して対峙するのです(下記の赤い点線の間の範囲)。. “RUSSIAN AIRSTRIKES IN SYRIA: JULY 28 – AUGUST 29 2016,” Aug 30, 2016. 出典:Robin Wright, “Imagining a Remapped Middle East,” The New York Times, September 28, 2013. 英仏だけでなく、より中東に密着したロシアが、この協定に加わっていたことを描いていますね。帝政ロシアはトルコ南東部の、当時アルメニア人やクルド人が多く住んでいた地域に、南コーカサスの勢力範囲を延伸して介入してきた。そして、イスタンブル周辺の戦略的要衝のボスフォラス・ダーダネルス海峡の支配圏も、英仏に対して認めさせた。結局帝政ロシアが翌年の革命で崩壊したので夢と終わったのですが。そうでなければ世界地図は大きく変わっていたでしょう。, サイクス=ピコ協定は、それが何かの原因というよりは、露土戦争と東方問題の「結果」であるという認識があると、現代の中東情勢を見る際にも、現地の地政学的環境を踏まえた視点が定まります。, 少しお休みしていた「今日の一枚」を再開してみましょう。「続き物」として道筋を通そうとすると、事態が発展していくうちに追い抜かれたりしてややこしくなって結局更新が滞るので、気楽に「一枚」をぺらっとアップする初歩に立ち戻ります。, ただでさえややこしいシリア内戦ですが、8月24日に、トルコ軍戦車部隊がシリア北部のジャラーブルスへ侵攻し(よりによって米バイデン副大統領のトルコ訪問の最中に!)、いっそう関与・介入する当事者が増えました。. レバノン(Lebanon)の地図を掲載しています。詳細な場所を示した地図ですので海外旅行やレバノン旅行・観光などに役立ちます。グーグルマップ(Google Map)の地図でレバノンや中東を探検。 “Daily chart: Syria’s war, violence beyond control,” The Economist, 9 May 2016. Hakan Özoğlu,”Lessons From the Idea, and Rejection, of Kurdistan,” The New York Times, July 5, 2014. “Inside Syria: Kurds Roll Back ISIS, but Alliances Are Strained,” The New York Times, August 10, 2015. 出典:“The Fall of Mosul to the Islamic State of Iraq and al-Sham,” Institute for the Study of War, June 10, 2014. “MAPPED: The battle against ISIL,” al-Jazeera, September 5, 2017. 中東を再分割するなら?という思考実験で用いられる地図のその2。1919年のキング・クレーン委員会の報告書で行われた提案。2013年にアトランティック誌が引っ張り出して来て、ちょっと話題になりました。. Robin Wright, “How 5 Countries Could Become 14: Slowly, the map of the Middle East could be redrawn,” The New York Times, September 28, 2013. ブログ復帰に際して過重労働回避のために「一枚だけ」と戒めたにもかかわらず、地図シリーズの下書きを見ていたら比較するとわかりやすい地図があったので、早くも禁を破って二枚目の地図を。。。, 同じ英Economistのウェブサイトに5月9日に載っていた、4月現在のシリア内戦の勢力図。比べてみましょう。. “Islamic State group: Crisis in seven charts,”, “The ISIS map of the world: Militants outline chilling five-year plan for global domination as they declare formation of caliphate – and change their name to the Islamic State,”. 1916年のサイクス=ピコ協定での植民地分割密約に固執する英仏に対して、民族自決を掲げたキング・クレーン委員会はキングとクレーンの二名を団長とするアメリカ人主体の調査団を送り込みました。, 『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮選書)でも書いたように、実際には1920年のセーブル条約でいったん極端に分割されたオスマン帝国領土を、1923年までに新生トルコ共和国が一定程度奪い返して決着します。, しかし、より現地の民族・宗教・宗派を考慮して線引きすればこうなったかもしれない、というのがキング・クレーン報告書です。, その後人口構成が変わっているので、アルメニアのところなどは現在は全く現実味がありませんが。イスタンブルの国際管理など、現代には考えられないことですが。, シリアの分割を考えるときに参照される歴史地図を先日示しましたが、中東全体に国境線を引き直すなら、という思考実験は多く行われています。いくつか紹介しましょう。. 8月24日のトルコによるシリア北部・アレッポ北方のシリア・トルコ「回廊」地帯への地上部隊侵攻で、いっそう明白になったこの地域の性質と重要性。アレッポ北方の、ジャラーブルスやマンビジュ、アル・バーブやアーザーズなどの位置関係や、アラブ人、クルド人、そしてトルコが同族とみなすトルクメン人などの混住状況もこの地図には描かれています。, この地図から、トルコ側のガズィアンテプで、8月20日に、クルド人の結婚式に対してテロが行われた(「イスラーム国」側がやったとされるが、詳細は不明)ことも納得がいくでしょう。, この地図は昨年12月段階のもので、その後クルド人勢力はマンビジュ方向に延伸したり、アル・バーブの方向への進出を窺ったりして、色分けは変化しています。この地図を基礎に変化を見ていくと、何が起こっているかが見えてきます。, アサド政権はこの地図で描かれているアレッポ北方で回廊を断ち切ろうとする。逆にアレッポの西のイドリブ県を制圧している反体制勢力は南方のアサド政権のアレッポへの補給路を断とうとする。これらが、この地図替えかがれた以降の展開です。, この状況下で、トルコはもっぱら対YPGで介入してくるだろう、ということが誰の目にも明らかで、「いつ」が問題になっていました。ロシアとの緊張の激化や、国内でのテロの続発、クーデタ未遂や大規模粛清といった目を奪う事象が繰り返されてきたため気が逸らされがちですが、シリア内戦の構図と、それに関与するトルコの姿勢は、基礎的条件が変わらないので、それほど変わっていないのです。, 「ユーフラテスの盾」という作戦名が明らかにしているように、「回廊」地帯の東端を画すユーフラテス河を、クルドYPG勢力に越えさせない、というのが、今回のトルコの作戦の目的。, クルド人勢力が、2014年には「イスラーム国」の伸長で、コバネなどで追い詰められていたところから挽回して、それによって欧米の支持も高め、領域支配を広め、ついに2015年12月にはユーフラテス河以西に勢力を伸ばし始めた、という時点で、現在のトルコのシリア北方への軍事介入は必然視されていました。, こういった詳細な地図は、日本語のメディアでは作ってくれるところがない。やはり需要がないということなのだろう。, 「シリア内戦の諸当事者の数と相関関係はこんなに複雑!」という図は、英語圏の主要メディアが何度となく、手を替え品を替え、グラフィックの能力を競うかのように、出してきました。若干面白半分というか、呆れ半分にいろいろな描き方が過去に提起されてきました。シリアだけでなくイエメンやリビアなどアラブ世界で並行して進む内戦・国家崩壊への、各勢力の関係を含めるともっとややこしくなります。, 8月24日以降のトルコ軍部隊のシリア北部侵攻を受けて、CNNが最新の図を出してくれました。. 出典:“The Middle East That Might Have Been: Nearly a century ago, two Americans led a quixotic mission to get the region’s borders right,” The Atlantic, February 13, 2015. “Peters’ “Blood borders” map,” Armed Forces Journal, October 2, 2013. 出典:“Islamic State and the crisis in Iraq and Syria in maps,” BBC, 1 September 2017. 池内恵(いけうち さとし)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。予想外に評判となってしまったFC2ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝(http://chutoislam.blog.fc2.com/)」からすべての項目を移行しました。過去の項目もここから全て読めます。経歴・所属等は本ブログのプロフィール(http://ikeuchisatoshi.com/profile/)からご覧ください。, 【中東情勢の分析については、2014年から15年にかけては、このブログでかなり詳細に行っていましたが、『フォーサイト』の「池内恵の中東通信」欄にいわばスピンオフしていきましたので、日々の分析に関心がある方はぜひそちらをご覧になってください。このブログでは地図や名著・迷著からの抜き書きなどを中心に随時話題を提供していきます】, (PCでは)画面右側の「カテゴリー」のところの「地図で見る中東情勢」をクリックすると、これまでの地図を紹介した記事の一覧が表示されます。, ちょうど一年前の2016年9月のエントリでは、シリアとイラクでの「イスラーム国」および各勢力の支配領域を、トルコがアレッポ北方へ侵攻した時点の地図で示しておきました。, ここ一年間、シリアやイラクのニュースでは「イスラーム国から○○を奪還」という形式のものが多かったですね。必ずしも「『イスラーム国』の領域支配がどれだけ縮まるか」はシリア情勢やイラク情勢の中で常に最も重要なものとは言いきれないのですが、国際的にこの側面が特に注目されるのが現実ということは確かです。もちろん重要ではあります。, イラクでは「モースルを奪還」、シリアでは「ラッカを奪還」というニュースが連日のように伝えられてきましたね。長期間にわたって「もうすぐ奪還します」というニュースが流れ続けるということは、かなり手こずってきたということでもあります。, 一年前の地図を見ると、モースルとラッカを含む領域が「イスラーム国」の支配領域として塗られていますね。.